写真の基本的な考え方

1項:写真の基本は『記録して伝える』

一般的に何かを記録するとか、想いを残すと言ったことは有史以前からあります。例えば、古代人の描いた壁画や文字が世界各地に残っています。 壁画に描かれた内容から当時の自然環境や生活が想像できます。壁画の目的は定かではありませんが、結果として壁画は、何かを記録して伝える役目 を果して来たと言えます。

その後、文字が発明されて歴史や表現を伝える手段として発展してきました。写真が発明され160年、新聞、雑誌、テレビ、映画、広告などの分野で 普及、今日ではインターネットを通じて世界中に発信されています。写真に「記録して伝える」と言う役目があるとすれば「写真の原点」は、古代人 の描いた壁画に通じるものがあると思います。

8000年前の壁画 ユタ USA       P.植村正春

地上絵 ペルー             P.植村正春

ニュースペーパーロック ユタ USA    P.植村正春

アンコールワットのレリーフ カンボジア  P.植村正春

2項:写真の方向性には、「主観的写真」と「客観的写真」がある。

写真は基本的に個性的なものであり主観的なものです。「主観的写真」や「客観的写真」は、共に事実を記録しながら、 写真の奥に潜む事実なるモノを写そうとする思いは同じです。

① 主観的写真

被写体に想いを込めながら構図を決め、力強い写真を撮る方法です。個性が最大限に発揮できる写真です。 写真作品や広告写真など目的が明確なほど相手に印象的に伝えることができます。

未来に向かって 群馬県         P.植村正春

ドイツ村 千葉県            P.植村正春

② 客観的写真

社会に起きているさまざまな現象や事実を、客観的な視点で撮る方法です。事実を伝える目的があり、洞察力が求められます。 分野として報道写真、記録写真などがあります。

ひまわり畑 群馬県           P.植村正春

ドイツ村 千葉県            P.植村正春

3項:写真は「視る(注視)・凝視・眺める」で撮る。

見ると言う行為には、その目的に合わせて幾つかに分類されます。漢字字典で調べると「見る・観る・視る・眺める」などがあります。 写真撮影では「視る(注視)・凝視・眺める」を使い分けて撮影すると目的が整理されます。この項では、「写真を頭で撮るのではなく、 目で撮る」を学びます。

① 見る

色、形、大きさ、距離などの情報を目から収集する動物本能です。

② 観る

映画鑑賞、観光旅行、植物観察など限られた時間の中で観る世界です。 時間の中で生きる人間は、動画の中に生きているとも言えます。

③ 視る(注視)

「視る」とは、「注視」とも言います。人間は物に集中すると、目の動きを止めます。 例えば、文字を読むときや何かに注目したときの視線は止っています。これが撮影の目です。ピントが合うと被写体意外の物が見えなくなります。 この状態で背景や状況を考慮しながら撮影すると写真に説得力がでます。

注視 新緑の谷川 長野県       P.亀山佳代子

注視 弓道 鎌倉市 神奈川県      P.植村正春

注視 軽井沢 長野県          P.日馬栄治

注視 印旛沼  千葉県        P. 小西加代子

④ 凝視

目を凝らして視る状態(クローズアップ)です。撮影では接写です。接写レンズは質感描写(ディテール)を写し、肉眼を遥かに超えて記録します。

凝視 ひまわり 群馬県         P.深見君枝

凝視 漁港の印象 千葉県        P.新田正義

⑤ 眺める

漠然と見ている(ピントが合っていない)状態です。遠くの風景を見 るときは視点が定まりません。例えば、空、海、山など大きな風景を見ているときです。 心象風景や記録写真として撮影すると良いでしよう。

眺める 牧場の菜の花 千葉県      P.植村正春

眺める パルミラ遺跡  シリア     P.植村正春

眺める 港に立つ鳥居 勝浦市 千葉県  P.植村正春

眺める 火山の噴火 鹿児島県      P.植村正春

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